武満 徹 ソングブック コンサート〈 ゆったりライヴの旅vol.10 〉
終了しました |
日本人のかけがえのない日常を歌った武満徹による美しいポピュラー・ソング集。
日本を代表するブラジル音楽の弦楽トリオ〈ショーロクラブ〉が
7人の多彩なヴォーカリストを迎えて奏でる「タケミツ・メロディ」は、
2011年の今を生きはじめる。
◎公演チラシの画像はこちら
(チラシデザイン:中嶋香織)
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
協力:ソングエクス・ジャズ
-----------------------------------------------------------
武満 徹の「ソング」が集められていながら、「武満徹」の名を、存在を、ほとんど意識しないで聴くこと。ショーロクラブによる『ソングブック』がもたらしてくれるのはそんな希有な体験。
複数のシンガーそれぞれの持ち味を生かすことで、けっして恣意的ではない、うたと声との結びつきが生まれる。質の異なった女性の声がつづくとおもえばぽつりと男声が、複数の声が重なるものが、といった思い掛けなさもさりげなく仕組まれたストーリーが、コンサートのなかで、紡がれるはずだ。
これらのうたがひとつのながれとなっているのは、どの曲も「武満 徹」によるから、ではない。「武満 徹」でありつつ、ショーロクラブ、であるから。三つの絃の音色とかさなり、からみ。トレモロ、ビート、ラテン的な空気感。そして時のなかを減衰するひびき―。
1930年に生まれ、1996年に亡くなった作曲家・武満 徹。ヨーロッパ由来の芸術音楽の延長・拡大されたかたちのコンサート・ミュージックを主としながら、映画や芝居の領域でのこした音楽はまたべつの魅力を持っていた。
第二次世界大戦中、禁じられていたシャンソンをこっそりと蓄音機で聴かせてもらい、こんなに美しいものがあるのかと感嘆、音楽をやりたいと希望する。手探りのように楽譜を書き、音のでない紙に鍵盤を書いたピアノを持ち歩く。町を歩いているときピアノの音を耳にすると、弾かせてもらえないかと頼みこむ。進駐軍のキャンプでは、夜にしごとがあるまで、ピアノを弾かせてもらう。結局、音楽はほとんど独学だった。
若い芸術家の仲間を得、ストラヴィンスキーに「発見」され、国内外の音楽家はもちろん、安部公房、大江健三郎といった多くの友人を持つ。海外でさかんに作品が演奏される。そうした一方で、愛する映画のために、音楽祭のために、共同でしごとをした。
そうした「つながり」のなかで生みだされ、独自に生きはじめた曲たちがここに。
武満 徹は、音楽につくり手の名がついているのは過渡的なもので、将来的に音楽は匿名/アノニマスにむかうと記した。ショーロクラブとシンガーたちの演奏は、従来の「武満 徹ソングブック」から次の段階への、ただ曲のみが親しまれ愛されうたわれ、作曲家の名がいつのまにか消えてしまう段階への、はじまりを告げる。
phpto:(C)TETSUYA FUKUI
小沼純一(音楽・文芸批評家/早稲田大学教授)
◆武満 徹 Toru Takemitsu
1930年東京生まれ。日本を代表する現代音楽家。独学で作曲を学ぶ。1957年「弦楽のためのレクイエム」がストラヴィンスキーに称賛されて以来、現代音楽界の第一線で活躍。作品はコンサート・ピースから電子音楽、映画音楽、舞台音楽、ポピュラー・ソングまで多岐にわたる。「タケミツ・トーン」と呼ばれる独特の響きは、世界中の音楽ファンを魅了。1996年65歳で死去。2010年には生誕80周年を迎えた。今回取り上げるポピュラー・ソングは、日本人の日常生活における文化的側面を垣間見ることができる〈うた〉を聴ける珠玉の作品群である。
公演情報
日時 | 2011年11月19日(土) 16:30(開場)/17:00(開演) |
---|---|
料金 | 全指定席:4,000円 ※未就学児の入場はご遠慮ください(託児サービス有) ※車椅子席:同料金・ホールのみ取扱 |
会場 | めぐろパーシモンホール・大ホール |
チケット取扱
めぐろパーシモンホールチケットセンター
03-5701-2904(10:00~19:00)
チケットぴあ
0570-02-9999(Pコード143-002)
http://t.pia.jp/
◎8月2日(火)チケット発売
出演
◇歌 アン・サリー/沢 知恵/おおたか静流/おおはた雄一/
松平 敬/松田美緒/tamamix
◇演奏 ショーロクラブ
演奏予定曲
翼
めぐり逢い (歌:アン・サリー)
うたうだけ (歌:沢 知恵)
明日ハ晴レカナ、曇リカナ (歌:おおたか静流)
島へ (歌:おおはた雄一)
恋のかくれんぼ (歌:tamamix)
小さな空
見えないこども (歌:松平 敬)
ワルツ~映画「他人の顔」より (歌:松田美緒)
死んだ男の残したものは (歌:アン・サリー)
三月のうた (歌:おおたか静流)
燃える秋 (歌:沢 知恵)
翼 (歌:松田美緒)
MI YO TA (歌:おおたか静流、アン・サリー、沢 知恵)
ほか
CD・2011年7月20日(水)発売
ショーロクラブwithヴォーカリスタス「武満徹ソングブック」
◎発売元・このCDに関するお問い合わせ
ソングエクス・ジャズ
TEL:03-6314-6829
託児サービス
託児サービスをご用意しております。
公演14日前(11月5日)までにお申し込みください。
託児料:1名2,000円
申込先:ホールチケットセンター03-5701-2904(10:00~19:00)
Choro Club with Vocalistas
Choro Club
ショーロクラブ
笹子重治(アコースティック・ギター)、秋岡 欧(バンドリン)、沢田穣治(コントラバス)の三人による弦楽ユニット。ブラジルの伝統的な都市型インスト・ミュージック「ショーロ」にインスパイアされながらも、独自のサウンドを創造している。
◇出演ヴォーカリスト
アン・サリー
Ann Sally
洋の東西を問わぬ新旧の名曲をオリジナルに昇華した情感あふれる歌唱、ナチュラルなライフスタイルは幅広く支持されている。昨年末に最新作「fo:rest」発表。
沢 知恵
Tomoe Sawa
歌手。日本人の父と韓国人の母の間に生まれ、現在までに22枚のアルバムを発表。第40回レコード大賞アジア音楽賞。代表曲「こころ」は数多くの歌手にカヴァーされている。
おおたか静流
Sizzle Ohtaka
シンガー&ボイスアーティスト。七色の声を駆使し、テレビ、映画、舞台などあらゆる分野で活躍。NHK教育「にほんごであそぼ」で楽曲提供と歌唱。
おおはた雄一
Yuichi Ohhata
シンガー/ソングライター、ギタリスト。ブルース、フォークミュージックをルーツとする。代表曲「おだやかな暮らし」はクラムボン、坂本美雨などのカバーを生む。
松平 敬
Takashi Matsudaira
東京芸術大学、同大学院修了。2007年シュトックハウゼン賞獲得。昨年、一人の声のみで演奏したソロアルバム《MONO=POLI》発表。
松田美緒
Mio Matsuda
2003年リスボンに住みポルトガルのファドを歌う。昨年ショーロクラブの沢田穣治と「カンタ・ジョビン」発表。世界のミュージシャン・各方面から注目が集まる。
tamamix
タマミックス
22歳のとき東京で自身の絵画展「22展」を開催、オープニングパーティで何か演奏したくてウクレレと出会う。ウクレレ・歌によるオリジナルの表現を目指し活動。
・やむを得ぬ事情により、出演者・曲目などが変更になる場合がありますのでご了承ください。
・一度お求め頂いたチケットは、公演中止の場合を除きキャンセルできません。
・未就学児の入場・同伴はご遠慮ください。
・駐車場の台数が少ないため、ご来館には公共交通機関をご利用ください。