柿の木日記・
アウトリーチプログラム
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2011年10月15日(土)
【おしえて!Mr.バッハッハ】~武満徹~
『明日ハ晴レカナ、曇リカナ』
昨日ノ悲シミ 今日ノ涙 明日ハ晴レカナ 曇リカナ
昨日ノ苦シミ 今日ノ悩ミ 明日ハ晴レカナ 曇リカナ
PHOTO BY TETSUYA FUKUI
(よしのちゃん):頬杖をついている写真の男性は誰なの?
(Mr.バッハッハ):武満徹(タケミツトオル)という日本を代表する作曲家だよ。 1930年に生まれ、独学で音楽を学び65歳で亡くなるまで、現代音楽の分野で活躍した。 作品は、電子音楽、映画音楽、舞台音楽、ポップ・ソングと幅広いんだ。 エッセイストとしても有名なんだよ。
独学で音楽を学んで、こんなに広く親しまれたんだ~。彼の生い立ちをおしえて。
彼は第二次世界大戦中に禁止されていたフランスのシャンソンを、こっそりと 蓄音機で聴かせてもらい、こんなに美しいものがあるのかと感嘆し、音楽をやりたいと 熱望するようになった。 手さぐりのように楽譜を書き、鍵盤を書いた紙のピアノを持ち歩いた。 町を歩いている時にピアノの音が聞こえると、弾かせてもらえないだろうかと頼みこんだ。 また進駐軍のキャンプでは、夜に仕事があるまで、ピアノを弾かせてもらったそうだ。 そんなことをしながら、独学で音楽を学んだんだ。
へ~え。音楽にのめり込んでいたんだね。その後の活動については?
ストラヴィンスキー(ロシアの作曲家)に見出され、海外でもさかんに 作品が演奏されるようになった。日本でも多くの音楽家や作家を友人にもつ一方、 愛する映画や音楽祭に心血を注いだんだ。 (参考:ショーロクラブ『武満徹 ソングブック』 CD解説より)
PHOTO BY TETSUYA FUKUI
『明日ハ晴レカナ、曇リカナ』は、武満の詩なのね。 でも・・・悲シミとか、苦シミとか、涙とか・・・ あんまり明るい詩じゃないなあ。
これはね、黒沢明監督の映画『乱』(1985年)のスタッフに捧げられた “応援歌”なんだよ。 黒沢明監督が撮影中、天気によって機嫌がコロコロと変わるから、そのたびに スタッフは右往左往していたんだとか。 武満自身もこの映画をきっかけに、黒沢と険悪な仲になったんだ。
芸術家同士のぶつかり合いがあったのね。
武満の作品は死後も、たくさんの音楽家たちに演奏されている。 この夏に発表された、ショーロクラブのアルバム『武満徹 ソングブック』は、 歌詞のついているポピュラーソングを集めたアルバムだ。 若いミュージシャンが、現代の音の響きで武満の作品を再現するんだよ。
その演奏を聴く私たちが、武満の音楽を語りついでいくのね!
音楽を愛した作曲家、武満。その美しく響く楽曲と、若いアーティストたちの コラボレーション。ぜひ、コンサートで生の音を多くの人に聞いてほしいと思っているよ。
『武満徹 ソングブックコンサート』
めぐろパーシモンホール大ホールにて 平成23年11月19日(土) 16:30開場 17:00開演 歌:アン・サリー、沢知恵、おおたか静流、おおはた雄一、松平敬、松田美緒、tamamix 演奏:ショーロクラブhttp://www.persimmon.or.jp/performance/hosting/20110703151300.html
≪チケット絶賛発売中≫ めぐろパーシモンホールチケットセンター 03-5701-2904 (10:00から19:00) チケットぴあ 0570-02-9999 (Pコード:143-002)
事業課 余村