柿の木日記・
アウトリーチプログラム
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2013年6月22日(土)
“伝統文化「雅楽」に親しむ” 1回目報告 雅(みやび)な音楽に親しむ
日本の伝統芸能を紹介するシリーズ。
今年は伝統音楽である「雅楽」について全2回でお伝えします。
この講演会は日本の伝統文化を紹介するシリーズとして今年で5回目を迎えます。 今回は伝統音楽である「雅楽」についての講演になります。
先に「雅楽」について簡単にご説明させていただきます。 「雅楽」は「正統な音楽」という意味であり、この反対語として「俗楽」という言葉があります。 日本古来の音楽に大陸(中国・朝鮮)の音楽(楽器や踊り)等が混ざり、進化してきたのです。 今日の形に完成したのは、ほぼ10世紀(平安時代中期)と言われます。
舞台が完成した際の写真です。ホールの中に雅(みやび)な空間が出現しました。
リハーサル風景です。本番前とは言え、演奏にも熱が入ります。
当日は決して良い天気ではなかったのですが、受講者ほぼ全員出席となりました。 受講者のみなさんの熱意が伝わってきます。
講演会が始まりました。
先生のお話が演奏を交えて行われています。 (先生が吹いている楽器は「神楽笛(かぐらぶえ)」と言って、雅楽より古い時代の笛です。)
雅楽の伝承方法は口伝(くでん)となっており、曲の練習は唱歌(しょうか)という歌を覚えるところから始まります。 先生の歌を聴いて一緒に歌い、覚えるまでずっと続けるのです。 「自分で歌うことができる=自分で楽器を演奏できる」という考えから、丸暗記するまで歌い込み、 歌えるようになって初めて楽器に触ることができます。
当然テンポも厳密には決まっていません。 合奏では、各楽器の身振り・呼吸を見て・聞いて揃えていきます。
実演として、有名な「越天楽(えてんらく)」を聞きました。 この曲は「唐楽(とうがく)」と言い、中国・唐の時代の音楽形式を基にしたジャンルになります。
「唐楽(とうがく)」とは別に「高麗楽(こまがく)」というジャンルがあり、 朝鮮・高句麗(こうくり)時代 から影響された音楽形式などがあります。 また楽器編成にも分類があり、 「管絃」(楽器のみ)・「舞楽」(踊りがある)・「歌謡」(歌がある)という 演奏の形があり、それぞれ楽器の編成や拍子(リズム)が変わってくるのです。
ここで楽器紹介になります。 今回の講演会で使われた(越天楽の演奏でも使われた)楽器の写真です。
まずは打楽器から、
太鼓(その構造から釣太鼓とも呼ばれる)
鉦鼓(しょうこ)
鞨鼓(かっこ)
続いて絃(げん)楽器です。
筝(そう)
琵琶(びわ)
最後に管楽器です。
笙(しょう)
篳篥(ひちりき)
龍笛(りゅうてき)
講演会はノンストップに続きましたが、講師の先生による軽妙な講義と 素晴らしい演奏に引き込まれ、あっという間の2時間でした。
講演会の後は、受講者の皆さんお待ちかねの楽器体験コーナーがありました。 受講者の皆さんは思い思いの楽器の場所へ行き、 楽器に触れながら先生方のお話に耳を傾けていました。
第1回目講演会の報告は以上になります。 次回第2回目の報告もお楽しみに!
担当 : 菊池