柿の木日記・
アウトリーチプログラム

職員がホールでの日々のできごとや、
アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。

2016年11月6日(日)

目黒区美術館 ミュージアムコンサート「江戸とバロック」

日時 2016年11月5日(土)14:45開場 15:00開演(16:00終演)
会場 目黒区美術館ワークショップ室
出演 鈴木広志(サックス)、戸﨑廣乃(チェンバロ)、小林武文(打楽器)
曲目
J.P.ラモー: Les Indes Galantesより Tambourin(タンブーラン)
J.P.ラモー: La poule (ラ・プール)
R.ヴィードフ: Sax O phun (サクス・オ・フン)
F.クープラン: Les folies françoises, ou Les dominos (フランスのフォリア、またはドミノ)より
・La Virginité sous le Domino couleur d’invisible (透明)
・L’Ardeur sous le Domino incarnat (とき色)
・L’Esperance sous le Domino vert (緑色)
・La Coqueterie sous diférens Dominos (色とりどりの)
・La Frénésie, ou le Désespoir sous le Domino noir (黒色)
作者不詳: 江戸の祭囃子
鈴木広志: 金の雲より「霧」
小林武文: ありくありく営む
小林武文: 色の煙突-赤-
小林武文: いかんの色(新作初演)
鈴木広志: 備中国絵図の為の音楽(新作初演)

〈アンコール〉
ラモー: タンブーラン

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めぐろパーシモンホールと目黒区美術館では、共同企画でミュージアムコンサートを行っています。
今回は「色の博物誌―江戸の色材を視る・読む」展の関連イベントとして、「江戸とバロック」と題したコンサートを開催しました。

今回、まず出演をお願いしたのは、サックスはじめ様々なリード楽器を弾きこなす演奏家であり作曲家でもある鈴木広志さん。これまでにも当ホールや美術館のコンサートやワークショップ、ミュージアムコンサートを一緒につくっていただいています。

展覧会の担当学芸員から展覧会に関するさまざまな情報をもらいレクチャーを受け、さて、どのような切り口で組み立てようか。→→→江戸時代、ヨーロッパではバロック音楽の時代→バロックの曲や和の要素を組み込み、新作も含めたプログラムにしよう→編成は鈴木さんのサックス、戸﨑廣乃さんのチェンバロ、小林武文さんの和洋の打楽器。となりました。

パーカッションの小林さんにもコンサートのほか、目黒区内の小学校へのアウトリーチワークショップで度々お世話になっています。
→ ある日の学校でのワークショップの様子

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当日。まずはチェンバロを搬入。
戸﨑さんが演奏するチェンバロは、安達正浩さん製作のフレンチタイプの二段チェンバロです。

会場に運び込み、ねじ式の脚を取付中。

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ひっくりかえしてカバーをはずすと、蓋に施された美しい装飾が現れました。
楽器を組み立ておわると、安達さんが調律します。

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こちらは本日の小林さんの楽器たち。和洋南米その他が混在。

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リハーサル中。

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本番。

3人の音楽家各々の専門性やセンスを集結させて組まれたプログラムは、ラモーやクープランといったバロック時代の作曲家の作品、日本の祭囃子、鈴木さんと小林さんが今回のコンサートのために事前に展覧会をみて作曲していただいた新作まで、まさに古今東西を自由に行き来する内容です。

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満員御礼。

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それぞれの曲について、作曲者や時代背景についての説明、なぜこの曲を選んだのか。自作曲については、展示されているどの作品(資料)を見て作曲したのか、などのエピソードを交えてコンサートは進みます。

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チェンバロ製作者の安達さんには、チェンバロをはじめとする鍵盤楽器の歴史やチェンバロの仕組み、そして安達さんが製作された本日の演奏楽器についてお話しいただきました。

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終演後、お客様も近くで楽器を見せていただけることに。

ピアノに比べて弦がとても細く、チェンバロの音そのものを表すように繊細です。
これはぜったいに鍵盤を強打してはいけない楽器だな…と見るたびに思います。

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なかなか近くで見られる機会がない楽器に、みなさん興味津々です。

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戸﨑廣乃さん、鈴木広志さん、小林武文さん、(写っていませんが)安達正浩さん、
ありがとうございました。

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担当:小比類巻