柿の木日記・
アウトリーチプログラム

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2017年6月21日(水)

伝統文化「歌舞伎」に親しむ

日時: 2017年6月17日(土)
会場: 中目黒GTプラザホール
講師: 北潟喜久(きたがたのぶひさ)

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(公財)北野生涯教育振興会主催の伝統文化に親しむシリーズ。
2017年度は「歌舞伎はどんな芸能か」ということをテーマに、芸能研究家・芸能学会常任理事である北潟喜久さんを講師に迎え、「歌舞伎」について学びました。

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講師の北潟喜久さん。
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「歌舞伎」は「傾く(かぶく)」と言う言葉が語源となっています。
「傾く」とは、人と違ったことをすることを言い、戦国大名はほとんどがいわゆる「歌舞伎者(かぶきもの)」だったそうです。
また、「歌舞伎」は、念仏踊りを傾いて踊る「歌舞伎踊り」がルーツとなっていると言われています。

「歌舞伎」は男性が演じるもの、と言う印象がありますが、実は元々は女性が演じていたのです。それが「女歌舞伎」です。
「女歌舞伎」の中の1つに「遊女歌舞伎」と言うジャンルがあり、当時とても流行していました。しかし、世の中の風紀が乱れたことで、当時の幕府が「女歌舞伎」を全面禁止にしてしまったのです。
困った劇場主が次に考えたのが、美少年を出演させる「若衆(わかしゅ)歌舞伎」です。この歌舞伎は男女両方が熱狂し、やはり当時大流行しましたが、風紀の乱れによりまたまた全面禁止となってしまいました。

そこで新たに誕生したのが「野郎歌舞伎」です。いよいよ現在の形に近付いてきました。
これまでの「歌舞伎」との一番の違いは、女性役を演じる役者が必要になったことです。そこで登場したのが「女方(おんながた)」です。
「女形」と表記されることもありますが、講師の北潟さんは「方=その役を務める人のことを言うので、私は女方と言う表記を好みます。」と仰っていました。
その後戯曲が発達するに従って、大道具が必要となり、演出が華やかになっていきました。

「歌舞伎」は伝統を残したまま発達している芸能だと言われます。また、新しいものをどんどん取り入れ作るのが「歌舞伎」の伝統でもあるのです。

講師の北潟さんが講演の最後にこのようなことを仰っていました。
「歌舞伎は、頭ではなくハート(心)で捉える。感性で捉える。それが大切です。」と。

ほんのわずかですが、今回の講座では「歌舞伎」のルーツを知ることが出来ました。

6月24日(土)は、国立劇場でイヤホンガイド付きの鑑賞会があります。
参加者の皆さんは24日の鑑賞会をとても楽しみにしている様子でした。

事業課 濱