柿の木日記・
アウトリーチプログラム
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2018年8月3日(金)
【子どものためのワークショップ2018】演劇ワークショップ発表会
7月28日(日)「子どものためのワークショップ2018 演劇ワークショップ発表会」が行われました。
この演劇ワークショップは、めぐろパーシモンホールのワークショップの中で最も古くから実施し、継続している事業です。
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日時:2018年7月28日(土)14:30開演
場所:めぐろパーシモンホール 小ホール
出演:公募による中高生のワークショップ参加者17名
演出:大池容子(劇作家、演出家、うさぎストライプ主宰、アトリエ春風舎芸術監督)
アシスタント・演出助手:長野海、菊池佳南
【上演作品】
「世界が終わる前に」
<プログラムに掲載した講師の言葉>
はじめまして。本日はご来場ありがとうございます。
これからご覧いただく四つの作品は「今日、世界が滅亡すること」を背景に、参加者の皆さんに創作していただいた“フィクション”の物語です。世界が滅亡するなんて、信じられないような“嘘”かもしれませんが、そこから見えてくるのは、普段、気にも留めないような日常や、当たり前にある身近な風景なのかもしれません。
それぞれの物語には、とあるエピソードを持つ「古びた道具」たちが登場します。この道具たちは、ちょっと不思議な力を持っていたりもするのですが、その道具に対して思い入れを持つ人物の姿が見えてきます。
この作品は、参加者の皆さんに“嘘”を使って舞台の上で遊ぶことにチャレンジしてもらう中で創作されました。“嘘”の中にある本当のこと、普遍的なことが浮き彫りになっていき、参加者の皆さんの世界の見え方・捉え方に、触れられるような作品になったのではないかと思っています。
どうぞ、最後までごゆっくりお楽しみください。
大池容子
主催:公益財団法人 目黒区芸術文化振興財団
協力:有限会社アゴラ企画
協賛:公益財団法人 北野生涯教育振興会
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昨年までの演劇ワークショップでは毎年継続して参加する子どもたちが多かったのですが、今年はほとんどが初参加。始まった当初は初対面ということで緊張していた参加者も、車座になって自己紹介をしていくうちにだんだん緊張がほぐれてきたようでした。
今回のワークショップのテーマは「嘘を旅する」。いろんな嘘を楽しみながら、ところどころ穴埋め式になっている台本を読んで、どんな言葉を入れるか、どんな状況を織り込むか、いくつかのグループにわかれて本当に真剣に話し合いをしていました。
ワークショップが進むにつれ、「世界が終わる前に」という今回の発表会のテーマに基づいたオリジナルの台本を考えました。台本を書くのは初めて、という参加者が多い中、長く濃密な話し合いと大池さん、長野さん、菊池さんのアドバイスのおかげで、4本のすばらしい短編ができあがりました。
発表会ではオムニバス形式で4本の作品が上演されました。
上演後、講師と参加者によるアフタートークがおこなわれ、参加者からは「言葉を生み出すということは本当に辛いけど、楽しくて有意義であっという間の5日間だった」という言葉がたくさん上がりました。
今回のワークショップでの体験が、彼らの行く道を照らす大きな光になってくれればうれしいかぎりです。
事業課 比留間