柿の木日記・
アウトリーチプログラム
職員がホールでの日々のできごとや、
アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。
2022年8月9日(火)
子どものためのワークショップ2022 演劇ワークショップ発表会「桃太郎DX」
7月30日(土)に演劇ワークショップ発表会が開催されました。
26日から始まった連日4日間のワークショップのいよいよ集大成の場です。
上演作品は「桃太郎DX」。
今年の参加者は中学生・高校生合わせて15名でした。
**************************
日付:2022年7月30日(日)
会場:めぐろパーシモンホール 小ホール
演出:大池容子(劇作家、演出家、うさぎストライプ主宰、青年団演出部)
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
協賛:公益財団法人北野生涯教育振興会
協力:有限会社アゴラ企画
**************************
初日に演出家から渡されたのは昔話の「桃太郎」です。これを軸に全員が想像力を掻き立てて物語を膨らませ、最終的にDXバージョンはまさに豹変した脚本となりました。
桃太郎、サル、キジ、犬、じいさん、ばあさん、鬼はちゃんと登場します。でもロミオとジュリエットが出てきます。たくさんの動物たちも登場します。300歳の女の子も出てきます。登場人物が多いので各自がいくつかの役を担当しました。
発表会前日のワークショップを見学しました。かなり仕上がっているように見えましたが、リハーサルを繰り返すたびに体の動きやセリフの強弱の付け方など子どもたちは細かい演技指導を受けていました。その呑み込みの速さに驚きました。指導者の指示を聞く子供たちはとても楽しげでした。休み時間にもお互いに確認しあったりダンスを誰かが躍るとみんながそれに加わったりと、良い雰囲気でワークショップが進んできたのだなと感じました。
そしてもうひとつ驚いたのは、セリフの読みがスムーズで明確。曇りのない澄んだ声色が耳に心地良かったです。
発表会では、ロミオとジュリエットは労働しているわ、急にみんなが輪になって動物として会議を始めるわ、おまけに同じ登場人物を途中で別の子らが演じるわで、観ている側も脳みそをフル回転しないとストーリーの流れに取り残されてしまいそうでした。大道具も小道具も無い舞台で、大きな桃やキビ団子、大波、崖など、自分たちの体を使ってそれぞれの場面を上手に表現していました。
アフタートークでは、大人数で作品を作り上げる喜びを語る子どもたちが多かったです。毎回ワークショップでは自身の役のどれかとして自己紹介をし、だんだん自分が一体誰なのかわからなくなってしまったという意見もありました。それほど作品作りに本気でのめり込んだ5日間だったのだなと思います。また演劇のプロの指導を直接受ける機会を持てたことや、実際のホールで演じられることが子供たちにとってとても意義深いことだと感じました。
発表会の終了までずっと作品を磨いた子供たちの姿を見学して、劇を創ることは作物を育てることに似ているなと感じました。大地を耕すところから始まり育てて実を収穫するその瞬間まで作物の成長を見守る。演劇作品も最後の場面が終わるまでずっと成長し続けていると思いました。
広報ボランティア 道野