柿の木日記・
アウトリーチプログラム
職員がホールでの日々のできごとや、
アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。
2022年10月3日(月)
めぐろパーシモンホール開館20周年記念イベント~音楽のタネ、めぶくとき~「原田慶太楼×ぱんだウインドオーケストラ」
広報ボランティアレポート
めぐろパーシモンホールでは、ホールの活動をより多くの方々に知ってもらうための広報にご協力いただく「広報ボランティア」制度を導入しています。
今回、9/3~4に開催された「めぐろパーシモンホール開館20周年記念イベント~音楽のタネ、めぶくとき~」についてのレポートを広報ボランティアの方々に書いていただきました!
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日付:2022年9月4日(日)
会場:めぐろパーシモンホール 大ホール
出演:原田慶太楼(指揮)、上野耕平(コンサートマスター)、ぱんだウインドオーケストラ
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
助成:芸術文化振興基金助成事業
協賛:公益財団法人北野生涯教育振興会
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パーシモンホール開館20周年記念イベント2日目、いよいよお待ちかね!
人気サクソフォン奏者・上野耕平率いるぱんだウィンドオ-ケストラが、今もっとも旬な指揮者・原田慶太楼氏と初共演!
吹奏楽の祭典が幕を開けます。
ぱんだウィンドオ-ケストラは、2011年に吹奏楽への情熱を原動力に、東京藝術大学の同級生を中心に結成されました。
親しみやすい「ぱんだ」のネーミングは、時を同じくして藝大のある上野にやってきた”パンダ”に由来しているとのこと。
コンサ-トマスタ-として、またソロでもご活躍中の上野耕平さんを始め、次世代を担うプレイヤーが揃う新進気鋭の吹奏楽団です。
ステ-ジに登場した彼らは白と黒のパンダをイメ-ジしたコスチューム。
そして、指揮者の原田慶太楼さんは20代から国内のみならず世界で目覚ましい活躍を続けていらっしゃる日本を代表する前途有望な指揮者!数々の受賞経歴はもちろん、世界中のオ-ケストラの指揮者に就任し、音楽監督も任されている。ちょうど、このコンサートの3日くらい前に、NHK・Eテレの番組でジョン・ウィリアムズについて、熱くやさしく語る原田さんを拝見して、お話もとっても楽しく、おちゃめな方だな、との印象を強くしておりました。
ステ-ジに登場した今日の原田さんは、後半の曲「レッドライン・タンゴ」に合わせたと言っていた赤のエナメルシュ-ズがとってもオシャレ!
とても華があるマエストロで、会場をあたたかく包みこんでくれています。
今をときめく若き才能・天才たちの共演・競演・饗宴で、期待はいやが上にも膨らみます。
まず1曲目、華やかな幕開けは、【PANDASTIC!!】。
とにかく爽快でパワフル!若々しさ溢れる音がとっても魅力的で素晴らしい!
観客も手拍子で楽しそうです。
パンデミック以来、こんな観客ぎっしりのコンサ-トは個人的に久しぶりでして、拍手にも力が入ります。生で聴くオーケストラの圧倒的な迫力!空気が震えてるようで身震いしました。
生はやっぱりいいなぁ。
そして、【空を削るもの】【夜明け】へと続きます。
【空を削るもの】は、最初、苛立ちを表現したような抑えた激しさから、後半、まさに「空を飛ぶような」大空を羽ばたいていく躍動感あふれる曲です。
原田マエストロが、腹筋が割れそうになる程ハ-ドな曲 と言ってましたが納得です。打楽器たちのあつい響きが印象的でした。
【夜明け】は、アメリカのコンク-ルで中学生の為に書かれた曲とのことですが、流れるようにとっても美しい曲です。
この両曲の作者が清水大輔氏と小田実結子氏であることから、原田マエストロからの「日本人作曲家のイメージは?」の問いかけに、コンマスの上野さんが、「子供の頃、夕方に他の家から漂ってくる味噌汁の香りのような、もうちょっと遊びたいのに…というイメ-ジ」とのお話、懐かしいような情景が浮かんできます…
続くは、【パガニーニの主題による幻想変奏曲】。
有名なフレ-ズが親しみやすく、すべての楽器がフュ-チャ-されてて多彩な音色が印象的です。
とても豪華な約15分の大曲でした。
休憩をはさんでの1曲めは【アルセナール】。いよいよ目黒区立第十中学校吹奏楽部との夢のコラボです。
コンサートマーチ曲、楽しい楽しい!そして格調高い演奏ですね。
この第十中学校の皆さんは、事前に、ぱんだウィンドのメンバーからパートに分かれて直接指導を受け、練習をたくさん重ねて今日の本番に挑んだとのこと。生徒皆さん堂々と素晴らしい演奏でした。
ぱんだウィンドの皆さんとは、世代も近いことですし、お兄さんお姉さん達プロと一緒の演奏、この時間は一生の宝物になったことでしょうね。
次は個人的に大好きな曲【アメイジンググレイス】。
芳賀傑さんアレンジで、いろんな景色が移り変わっていく、ぱんだバージョン。悔恨と神の慈悲に対する感謝が歌われている…サクソフォンの切ない響きが一層、胸を打ちます。心が浄化されていくようでした。
続くは、同じアメリカはニューヨークより、【ウィークエンド・イン・ニューヨーク】。
ニューヨークタクシー名物のクラクション音などが、色々な楽器(サクソフォン、フルート、クラリネットなど)で表現されていて楽しい。ニューヨークの街に足を踏み入れたような気持ちにさせてくれます。洗練されていてカッコいい!
次はガラッと雰囲気が変わって【レッドライン・タンゴ】。すごい熱量と力強さに惹き込まれます。
作者のJ.マッキーは、楽器を演奏しない方とのお話がありましたが、この独特の音色と肌にささる音。大胆でピリッとした緊張感!それでいて繊細で情感あふれるサウンド。パーカッションと木管、サクソフォンなど多彩な音色と心地良いビートが、オモチャ箱をひっくり返したみたいでワクワクしました。
そしてラスト【ダンス・ムーヴメント】。
4楽章から成る曲で、楽章によって音色や表情が全く異なります。壮大で宇宙を感じました。
2階最後方席では、中学生らしき3人組が、ラストに向けて、揃ってどんどん前のめりに身を乗り出して聴き入っているのが印象的で微笑ましく思いました。
本当に【吹奏楽の今】に魅せられた楽しい素晴らしいコンサートでした。
ありがとうございます。
と、これを執筆してたら、「えっ!」テレビにコンサートマスターの上野耕平さんのお姿が!!
「題名のない音楽会」の審査員を務めていらっしゃいました。
そのアドバイスコメントが的確で思いやりがあって、これはますますファンが増えることでしょうね。
広報ボランティア みかももO