柿の木日記・
アウトリーチプログラム
職員がホールでの日々のできごとや、
アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。
2023年2月2日(木)
めぐろパーシモンホール開館20周年記念 4人のバリトンコンサート ハンサムなメロディー2~ハンサム四兄弟故郷凱旋コンサート
広報ボランティアレポート
めぐろパーシモンホールでは、ホールの活動をより多くの方々に知ってもらうための広報にご協力いただく「広報ボランティア」制度を導入しています。
2023年の幕開けに開催した「めぐろパーシモンホール開館20周年記念 4人のバリトンコンサート ハンサムなメロディー2~ハンサム四兄弟故郷凱旋コンサート」の様子を、広報ボランティアの方にレポートしていただきました!
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日付:2023年1月7日(土)
会場:めぐろパーシモンホール 大ホール
出演:加耒徹・近藤圭・与那城敬・宮本益光(バリトン)、加藤昌訓(作曲・ピアノ) ほか
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(劇場・音楽堂等機能強化推進事業)、独立行政法人日本芸術文化振興会
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1月7日。心待ちにしていたコンサート当日。見上げる空は、明るい青色。
少し早めについたので、建物の前の広場で一休み。開場時間の5分前、入り口から中を見て驚きました。もうすでに、入場を待つ長い列が。
さすがに、~ハンサム四兄弟 故郷凱旋コンサート~と銘打つだけある人気ぶりです。
四大バリトンを目黒から世界へ。いつか、あの、三大テノールの様に。
そんな思いを胸にプログラムを受け取り、席についた後は、夢のような時間が、瞬く間に過ぎて行きました。
第一部 オペラ アリア(ピアノ伴奏)
4男・加耒徹氏が最初に登場。
その後、長男・宮本益光氏まで、圧巻の独唱が続きました。
しかも皆様、紋付羽織袴姿で、新年の雰囲気たっぷりです。
加耒氏の透明感のある高音。
近藤氏の色彩豊かな中低音。
与那城氏の響きのある低音。
宮本氏のバランスの良い音域。
それぞれの魅力を堪能。
個人的な希望としては、次回は是非、加耒氏と与那城氏のデュオをお願いしたいもの。
ただ、残念ながら、オペラでは、バリトンの二重奏は無いかもしれません。
アリアの後のトークタイムでは、新年の抱負が楽しく語られ、近藤氏の、“ランニングの目標 1年で10㎞”で会場からは笑い声が。これで会場はすっかり和んだ雰囲気に。
第二部 AROUND THE WORLD
金モールで縁取られたカバー付きの楽譜を手に、4兄弟が登場。
見れば、そのカバーには、「ハ・ン・サ・ム」の文字がくっきりと。
前回、ホールスタッフが作成したものが、保管されていたのだとか。
スタッフの熱意が伝わった瞬間でした。
会場のざわめきは、すぐに4人の美しいハーモニーに変わり、流れた曲は、ピアノ奏者である加藤昌則氏の編曲作品、映画音楽で巡る世界一周メドレー。
メリー・ポピンズ”、“サウンドオブミュージック”、“男と女”、“ゴッドファーザー”、“80日間世界一周”他、忘れていた映画のワンシーンが目の前に蘇る様。
「音楽は神聖でもあり、楽しくもある。」
という宮本氏の一言で、前半が締めくくられた後、休憩前に思いもよらないサプライズが!
舞台上の出演者の写真撮影が許可され、客席は、瞬く間にスマホの海に。
出演者も来場者をバックに記念撮影をすると言うミニ撮影会となりました。
第三部 バンドネオンと
黒いフォーマルなスーツで、宮本氏が登場。
「歩きやすい!」 という素の発言に会場から笑い声が。
ピアノからバンドネオンに伴奏楽器が変わり、奏者の北村聡氏が紹介されました。
北村氏は、初めて聞いたバンドネオンの演奏に感動し、その場でその演奏家に直接指導を願い出たのだとか。その演奏は、情熱的なエピソードとは裏腹に、透明で繊細。バンドネオンはアルゼンチンタンゴの革命児と言われるピアソラ氏の緊迫感溢れる演奏が有名ですが、そもそもは讃美歌の伴奏楽器。
この楽器が持つ、本来の清らかな音色を、聞かせて頂いた様に思いました。
バンドネオンとの共演で、「大空間で自分の声を見直す体験をした。」と、宮本氏がおっしゃっていたのも印象的でした。ピアノ伴奏では経験した事の無い、“静寂”が生まれるのだそうです。
第4部 with スペシャルバンド
“名入り団扇”を持ち、入場した4人の後にもう一人、ピアノ奏者の加藤氏が登場、なんと、その団扇には“叔父”の文字が!楽しいトークの後は、ピアノ・ヴァイオリン、コントラバス、バンドネオンの豪華な4重奏をバックに、ミュージカル、映画音楽、アイルランド民謡の独唱が4曲披露されました。そしてラストは、日本が世界に誇る歌謡曲“上を向いて歩こう”の合唱。
客席で口ずさんでいる方も、いらっしゃる様でした。
演奏会は、終始、温かい雰囲気の中で過ぎて行き、やがて迎えたアンコールタイム。私は目の前の光景に、瞬きを繰り返しました。
場内いっぱいに広がる、蛍光色の波。赤、白、オレンジ、緑、
ここは、もしや東京ドームか、武道館ライブか・・・。開場の際に渡された、ライトスティックを、腕を伸ばして大きく振りながら、想定外のクラシックコンサートのフィナーレを堪能した午後。アンコール曲になぞらえて、心の中で歌いながら帰路につきました。
「もしも、歌がなかったら、
あなたと出会うことはなかったでしょう。
もしも、パーシモンホールがなかったら、
ハンサムなメロディーに出会うことは無かったでしょう。」
ホールのスタッフの方々の、熱い想いが込められた演奏会であった事を添えて、ご報告とさせていただきます。
広報ボランティア 市田幸惠