柿の木日記・
アウトリーチプログラム

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2024年1月28日(日)

「大人の演劇ワークショップ 入門編 『いま、あらためて、ままごと』」を開催しました

1月末に開催された「大人の演劇ワークショップ」の様子をお届けします。

講師はままごとの柴幸男さんと端田新菜さん。当ワークショップの講師をしていただくのは5回目ですが、今回は初の一日完結型です。
参加者は、ワークショップにご応募いただいた各日20名の皆さんです。

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日付:2024年1月27日(土)28日(日)10:30~15:30 ※一日完結型・2回開催
会場:めぐろパーシモンホール 小ホール
参加者:ワークショップにご応募いただいた18歳以上の方 各日20名
講師:ままごと mamagoto 柴幸男 端田新菜 ほか

主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
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大人の演劇ワークショップ、今回は「いま、あらためて、ままごと」ということで、「ままごと」から演劇を考える1日完結型入門編ワークショップを同内容で2日間行いました。

午前中はアイスブレイクを兼ねて、様々なワークを行いました。

最初に始まったのは椅子取りゲーム。しかし、ただの椅子取りゲームではありません。
1席だけ空いているところに柴さんを座らせないように、みんなで席を移動しながら空席を守るというルールです。やってみると、意外と難しい。誰が行くかを譲り合ってしまったり、移動したらかえって柴さんの近くに空席を作ってしまったり……。やっていくうちに少しずつ連携が取れるようになって、身体も温まってきました。

次に、お題(「好きな果物は?」「日本と言えば?」など)から同じものを連想した人とグループになって集まるゲームや、今度は声を出さずに誕生日順に並ぶゲームをしました。
これは、「言う」と「聞く」を同時に行う、言葉無しで伝える、見て理解するといった演劇に必要な力を養う稽古場などでも行われるワークです。

その後、お互いの名前を覚えたり、呼び慣れたりするために、円になって名前を呼ばれた人が次の人の名前を呼び、場所を交換するというワークを行いました。

少しずつ演劇的なものに移っていきます。

「そこにあるものになりきる」ワークでは「私は〇〇です。」と言いながら、公園と仮定された空間でその〇〇になりきるポーズを取ります。
「私は犬です。」と言う人がいれば、「私はその犬を散歩させている人です。」と言う人がいて、他の人のアイデアに乗っかってそれをふくらませてみたり、「空間」を考えたりしました。

次に、1人ずつ円の中に入って何か動作をします。そこに次の人が「何をしているんですか?」と話しかけ、「〇〇(今やっているものとは違うもの)しています。」と答えられたものを、次の人はジェスチャーするというゲームをしました。ひとつ前の『私は〇〇です。』ゲームと同じく対応力が試されましたが、即興的に生まれるものの面白さを感じました。

続いて、ペアになって「最近あった良かったこと」について話し、それを短い劇にしました。図書館でたまたま手に取った本が面白かった、年賀はがきのくじが当たった、息子の成長を感じて嬉しくなった等……考えてみると、日常生活にも劇的なことが多々あるのかもしれません。

お昼休憩をはさんで、後半の部スタート。

最初は前半と同じく椅子取りゲームからです。

次に、5人1組のチームになって1分間で指定の形を作るというワークを行いました。お題は「電車」「ケーキ」「花瓶」など。その形のどの「要素」を抽出して、どんな風に表現するのか、グループごとに違いがあり面白かったです。

いよいよ「ままごと」についてのワークに入ります。

まず、ままごとに関するフリートークをしたところ、ままごとの「あるある」や昔と最近のままごと事情の違いなど興味深い話がいくつも挙がりました。
それらを踏まえて、実践に移ります。初めに場面の設定カード(ままごと=飯事から、食事に関する内容)、その次に登場人物の設定のカードが配られ、それに沿ってままごとを創り発表しました。

内容を簡単にご紹介します。
1/27(土)A日程
・「全員宇宙人」の「夜食」→月や太陽が焼きそば(UFO)を食べる
・「全員動物」の「おやつ」→桃太郎
・「全員同い年」の「晩ご飯」→老人ホーム
・「全員おばけ」の「朝ご飯」→おばけの家族、夜活動するので朝ご飯=夜ご飯

1/28(日)B日程
・「全員ロボット」の「昼ご飯」→ご主人様のご飯を準備
・「全員動物」の「おやつ」→人間が絶滅した世界で鹿せんべいを求めて冒険
・「全員同い年」の「晩ご飯」→全員5歳
・「全員宇宙人」の「朝ご飯」→いろいろな惑星の朝ご飯サミット

実際にやってみると、「ままごと」を「発表する」というのは矛盾していて、「発表をするには外から見ていてわかるようにある程度ルールや流れを整える必要があるが、そもそもままごとは即興的で混沌としたもので発表を忘れて遊んでいたような瞬間こそがままごとだったのではないか」という気付きがありました。「ままごとと演劇は似て非なるものだけれど、演劇の中の雑踏の場面はままごとに近いものがあるのでは?」と柴さんからお話がありました。

ままごとをやることで見えてきた「じゃあ演劇って何だろう?」ということをみんなで考えることができ、入門編として気軽に楽しんでいただけるワークショップになったのではないかと思います。
また、参加者の皆さんの意欲的な姿と、その反応を真摯に受け取って臨機応変にワークショップの内容に反映してくださる講師の皆さんの姿がとても印象的で、アットホームな雰囲気が素敵でした。

事業課 川上

参加者の皆さんの感想(抜粋)

・とても楽しく童心に帰りました。明るい気持ちになりました。
・初めて会った人たちと目を合わせて、話をして、お芝居楽しいですねと言い合えて心から嬉しいです。
・WS全体を通して、人柄や個性に触れる機会が多くあり幸せでした。
・演劇を分解していったような時間でした。
・ファシリテーターと参加者の関係も非常に安心できる場でした。
・午前中のゲームから楽しく、会社などでもやってみたらいいのにと思いました。
・ままごとをしていると、立場や年齢が関係なくなっていく感じが面白かったです。
・久々に身体を動かし、声を出し、楽しく演劇に触れることができました。
・午後の実際の作品づくりは、皆さんのアイデアにより順調に進み、皆さんの質、バラエティには大いに刺激を受けました。自分もはじけられ、本当に楽しかったです。
・素敵な企画をありがとうございました。また目黒区に足を運びたいと思います。

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