柿の木日記・
アウトリーチプログラム

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2024年6月9日(日)

「子どものためのワークショップ2024 演劇入門ワークショップ」を開催しました

今年度も講師に劇作家・演出家の平田オリザさんをお迎えし、「子どものためのワークショップ2024 演劇入門ワークショップ」を開催しました。

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日付:2024年6月9日(日)13:00~20:00
会場:めぐろパーシモンホール 小ホール
参加者:中学1年~高校3年生 34名
講師:平田オリザ (青年団主宰、劇作家、演出家)
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
協賛:公益財団法人北野生涯教育振興会
協力:有限会社アゴラ企画
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毎年大好評の演劇入門ワークショップ、今年は中学生17名、高校生17名の計34名の皆さんが参加してくれました。

平田オリザ氏

まず、「好きな果物」「東京と言えば」「行ってみたい国」などのお題に対して、自分の回答を声に出したり、身振り手振りで伝えたりしながらグループに分かれてみます。

平田さんは、このゲームを小学校や外国など様々な場所でおこなっているそう。福島県を訪れた際に、「福島といえば?」と問いかけると、桃、赤べこ、ままどおるなど特産品を多く答える一方で、県外では「原発」と答える人がほとんど。平田さんは、こうした潜在意識の中に隠れているもの、目に見えないものに色や形を与えるのが演劇の使命です、と伝えます。

続いて、二人・三人組に分かれてストレッチをしました。
背中合わせになった状態で息を合わせて立ち上がったり、相手のほうに体重をかけたり、目を瞑った状態で前後に倒れたり。これらのストレッチは、演劇やダンスの現場だけでなく、チームスポーツのメンタルトレーニングでも取り入れられているのだとか。

実際にやってみると、自分の身体を相手に委ねるのがなかなか難しく、怖いと感じました。平田さん曰く「心と身体の結びつき」を学ぶことが大切なのだそうです。

次のゲームでは、1~50の数字が書かれたカードを使います。「大きな数字の人ほど、アクティブな趣味を持っているので、それを考えてください。」との指示が。数分考えたのち、趣味だけを聞いて、数字が近そうな子とペアになります。

数字と趣味を発表していくと、17番の「バスケットボール」と、46番の「ショッピング」などかなりの違いがあり、「イメージの共有」をすることの難しさを考えました。平田さんは、その人のバックグラウンドによって価値観は異なるため、表面的な情報ではなく、相手を知ることが大事とおっしゃっていました。

これも「イメージの共有」が大切なエアーキャッチボール

15時頃からは、いよいよ台本を使ったワークです。

台詞に集中しすぎず身体をニュートラルな状態にすること、台詞も「話す」という人間の動作の一つに過ぎないんだよ、とのアドバイスを受け子どもたちも真剣な表情です。

子どもたちには空欄のある台本が手渡され、グループごとに穴埋めに何を入れるか話し合い、実際にお芝居を発表しました。平田さんの解説を聞いて、先ほど学んだ「バックボーン、価値観の違い」を考えながら丁寧にシーンを再構築していく姿が印象的でした。

最後の質問コーナーではたくさんの手が挙がりましたが、ひとりひとりの質問に真摯に答えてくださいました。「良い役者とは?」という質問には「色々な出会いの場を経験すること。色々なことに関心を持つこと」とおっしゃっていました。

今回のワークショップも、普段は接することの少ない自分と違う学校、学年の仲間と出会うきっかけになったのではないかと思います。これからも色々なことに興味を持って一歩を踏み出していただけたら嬉しいです。
私たちホール職員も、その場を提供し続けられるよう尽力して参ります。

事業課 川上

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