柿の木日記・
アウトリーチプログラム
職員がホールでの日々のできごとや、
アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。
2021年12月16日(木)
【アウトリーチプログラム】目黒区立第一中学校
目黒区立第一中学校 3年生 46名
日時:2021年12月16日(木)14:10~15:00
出演:小山豊(津軽三味線小山流三代目)、小湊昭尚(尺八)、大多和正樹(和太鼓)
【プログラム】
EL SOL
三味線独奏
尺八独奏
和太鼓独奏
民謡メドレー
うっせぇわ
第一中学校校歌
こきりこ節
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
協賛:公益財団法人北野生涯教育振興会
後援:目黒区教育委員会
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本日のアウトリーチは目黒区立第一中学校にお邪魔しました。
新型コロナウイルス感染症対策のため、体育館で距離を取っての実施です。
出演者の皆さんは小学校を回られることが多く、中学校での演奏は今回が初めてとのことです。
受験勉強の真っ最中でもある3年生の皆さんに合わせて、いつもより楽器やその歴史についても詳しく説明してくださいました。
一曲目はオリジナル曲の「EL SOL」。三味線、尺八、和太鼓の合奏です。
二曲目からはそれぞれの楽器の独奏。まずは小山さんが三味線について説明してくださいました。
三味線には猫の皮や犬の皮が使われていたというお話には、生徒の皆さんも驚いた様子でした。
バチはべっ甲や象牙で作られているそうです。ワシントン条約で国際取引が制限されているもののため、海外への持ち込みが難しい楽器であることなど、演奏のために海外を飛び回る小山さんならではのお話を伺えました。
三味線の独奏は「じょんから節」です。
続いては、小湊さんによる尺八です。
尺八には「琴古流」と「都山流」という流派があること、室町時代に一節切ができて普化宗の虚無僧が使うようになり、江戸時代に現在の形になったことなど、尺八の歴史を交えてお話ししてくださいました。
また、尺八は真竹でできているのですが、現在はアルミ製のものや3Dプリンターで作られた尺八もあるそうです。
独奏は尺八本曲の「鹿の遠音」。思わず背筋が伸びるような、凛とした音色が体育館に響き渡ります。
続いては和太鼓の大多和さん。
「締太鼓」「長胴太鼓」「桶胴太鼓」など、ひとつひとつの太鼓の種類について説明してくださいました。
太鼓には牛や馬の皮が使われているそうです。牛は丈夫で厚く、馬は薄くて音が弾けるなど、皮の違いによって音が変わることも教えてくださいました。
迫力満点の太鼓の独奏では、生徒の皆さんも太鼓ごとの音の違いに注目して耳を傾けたようです。
独奏のあとは、全国各地の「民謡メドレー」、人気のJ-POPから「うっせぇわ」、「第一中学校校歌」などを演奏していただきました。
質疑応答の時間では、生徒の皆さんから“演奏中に三味線のつまみ(糸巻)を触っているのは何故ですか?”、“足元に置いてある機械(ボーカルエフェクター)は何に使うものですか?”、“三味線にはどうやってアンプが入っているんですか?”など、積極的に質問してくださいました。
最後に、海外でも演奏活動で活躍されている小山さんから「新型コロナウイルスの影響で今は難しいけれど、いつか皆さんも海外に出て行って活躍してください」とのお話をいただき、「こきりこ節」で演奏が終了しました。
あまり馴染みがないようですが、意外と身近なところに使われている和楽器。
出演者の皆さんのお話を伺い、和楽器が今でも進化を続け、海外に活躍の場を広げていることが分かりました。
今回のアウトリーチプログラムが、生徒の皆さんが改めて将来を考えるきっかけになれば嬉しいです。
事業課 並木