柿の木日記・
アウトリーチプログラム
職員がホールでの日々のできごとや、
アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。
2023年12月9日(土)
【アウトリーチプログラム】東京都立目黒高校
都立目黒高校 1年生 240人
日時:2023年12月8日(金)11:40~12:30
出演:辻本玲(チェロ)、田村響(ピアノ)
【プログラム】
エルガー: 愛の挨拶
J.S.バッハ: 無伴奏チェロ組曲第1番より プレリュード
プロコフィエフ: チェロ・ソナタより第1楽章、第2楽章
サン=サーンス: 白鳥
ポッパー: ハンガリアン・ラプソディ―
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主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
共催:NPO法人 子どもに音楽を
協賛:公益財団法人北野生涯教育振興会
後援:目黒区教育委員会
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今年の目黒高校の会場は体育館。1年生のみなさんに、チェロの辻本玲さんとピアノの田村響さんの演奏を聴いてもらいました。
200人以上の高校生が集まると、いつものアウトリーチとはやはり雰囲気が違いますね。
今回、読み応えのある感想をたくさんいただいたので、生徒たちの言葉からプログラムの雰囲気を味わってください。
●高い音でもキーンと響くことなく、耳にすーっと入り込んでくるような心地の良い音で、ずっと聞いていたいなと思ったし、心の糸をほどいてくれる感じで、聞いていくうちに緊張が解けて良い意味で程よくくつろぎながら聴くことができました。
●田村さんのピアノは流れるように優美に弾いており、強弱も響きもCDや映像のピアノとはかなり違っていて、美しく耳触りが良いと思いました。
チェロそのものを初めて見たこともあり、迫力がすさまじかったです。体育館をつつむ響きが衝撃的でした。一番前で観覧していたこともあり、お二人の演奏をくまなく見ることができ、もう一生できない経験だろうなとしみじみと感じました。次は音楽のホールでオーケストラなどをきいてみたいと思いました。
演奏の前には、辻本さんが作品について説明します。
●それぞれの曲の際にちょっとしたその曲の背景を説明していただいたおかげで、より曲の雰囲気や情景がわかって聴きこめました。
またチェロは弓で弾くだけでなく、はじく奏法もあることを初めて知りました。奏法によって全然違う曲想の曲も表現できるようになり、同じ楽器でもこんなに雰囲気が変わるんだとわかり、すごくおもしろかったです。
質問コーナーでのやり取りも含め演奏の間のお話も楽しく、何度も笑いが起きていました。
●2人の会話がとても面白くて、思わず笑ってしまう場面が何度もありました。
●途中に挟む漫談では場を和ませてくれてとても楽しい演奏会でした。
●辻本さんの漫才師並のトークがとても面白くて感銘を受けました。僕も辻本さんぐらいにしゃべれるようになりたいです。
漫談、漫才師並という表現がお話の面白さを物語っています。
質問コーナーでは、よく出る質問「楽器の値段は?」、「1日にどれぐらい練習しているのですか?」などから、「これまでにどのような苦闘がありましたか」といったものまで、次々と生徒から質問が出ましたが、快く、時にひねりをきかせて答えていくお二人の様子に、生徒たちがどんどん心を開いていく様子が感じられました。
2007年から継続している当館のアウトリーチプログラム、参加するのが2回目という人も出てきています。
●僕は中学の時にもめぐろパーシモンホールのアウトリーチプログラムで学校に来ていただいたことがあるので、2回目です。
●チェロの音は小学校でも聞いたことがあったけど、高校に入ってから聞くと小学校の時とは違う美しさを感じることができました。私の家からパーシモンホールが近いので、演奏会があったら聞きに行きたいです。
このプログラムを通して地域の子どもたちと共に育ってこられたのかなと思える嬉しい言葉です。
●チェロというのは今までゆったりした楽器だと思っていたが、実際に演奏を聞くと、美しい手さばきで多様な音を奏でていて、弾き手によって奥行きのでる楽器なのだと思った。
ピアニストの方も、音の強弱のつけ方、細かい鍵盤のたたき方などに底知れない美しさを感じた。チェロを引き立たせるところ、共に奏でるところのメリハリにとても感動した。
●同じ楽器なのに、曲によって音色が全く違って、聞いていてとてもおもしろかったです。
●ストラディバリウスを使ってたのもあると思うけど、やっぱり一番は演奏者の技術が凄かったんだと思う。何年もやっているプロだからこそ高等な技術を会得でき、楽器のポテンシャルを最大まで引き出せるのだろうなと感じた。これを機に、コンサートなどにも行ってみたいなと思った。
●チェロの低い音のずっしりした響きと高い音の空気が張りつめるような響きがどの曲にも最大限に生かされていて、チェロの魅力を存分に味わうことができました。
●授業などで聴く録音だけではわからない良さを感じられたと思う。勉強ではないけれど、生で演奏を聞くことも、自分を成長させられるものだと思った。
●辻本さんや田村さんのように一つのことを極めるのはとても難しいですが、私も自分の好きなことを極めようと思いました。大人になったらたくさんのコンサートに足を運び、たくさんの楽器の音色を感じたいです。
このプログラムから、生徒たちがそれぞれ様々なことを感じ取り、考えたことが分かる言葉たちでした。
担当:小比類巻