柿の木日記・
アウトリーチプログラム
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アウトリーチプログラムなどについての
情報を発信しています。
2024年12月19日(木)
【アウトリーチプログラム】目黒区立第一中学校
目黒区立第一中学校 3年生 65名
日時:2024年12月19日(木)14:10~14:55(45分)
出演:原田照久・東野匡訓(トランペット)、豊田実加(ホルン)、廣田純一(トロンボーン)、山﨑勇太(チューバ)
【プログラム】
ポール・デュカス:「ラ・ペリ」のファンファーレ
ジョン・レノン&ポール・マッカートニー 作/ブランドン・ライデナワー 編:イエスタデイ
クロード・ミシェル・シェーンベルク:「レ・ミゼラブル」より 夢やぶれて
ヘンリー・フィルモア:ラッサストロンボーン
ファッツ・ウォーラー、ハリー・ブルックス:浮気はやめた
チャイコフスキー:「くるみ割り人形」より 花のワルツ
草野心平:目黒区立第一中学校
山﨑勇太:かえるのうた変奏曲
アンコール:もみの木
主催:公益財団法人目黒区芸術文化振興財団
協賛:公益財団法人北野生涯教育振興会
後援:目黒区教育委員会
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目黒区立第一中学校で金管五重奏のアウトリーチを実施してきました。
開催日は12月19日ということで、外はかなり冷え込みましたが、
クリスマスや年末など楽しいことも多い時期。
今回は、これからやってくる楽しいイベントをさらに盛り上げてくれるようなプログラムと
寒さを吹き飛ばすぐらいのパワフルな演奏で金管楽器の魅力をお届けしてきました。
まずは『魔法使いの弟子』の作曲で知られるポール・デュカスの
バレエ音楽《『ラ・ペリ』ファンファーレ》。
迫力ある金管サウンドがコンサートの始まりを告げます。
続いては金管五重奏で演奏される楽器たちの紹介です。
金管楽器の音の出る仕組みを学んでから、それぞれの楽器について詳しく教えてもらいます。
今日は中学3年生が対象ということで、
楽器が誕生した背景やどの様に今の楽器の構造になっていったのかを
歴史を交えながら解説してくれました。
・トランペットの3本のピストンはイギリスの産業革命の時代に発明されました!
・トロンボーンは当初「サックバット」(「引く・押す」の意味)と呼ばれていて、
400年前から楽器の形が変わっていないようです!
その他にもトランペットはメロディーラインを、
チューバは低音で音楽の土台となっているなど、各楽器の役割についても教えてくれました。
楽器の特徴と音色を学んだ後は、皆が心待ちにしている「クリスマス」にちなんだ楽曲
《バレエ『くるみ割り人形』より花のワルツ》です。
元々オーケストラ編成の楽曲ですが、金管五重奏で披露します。
ここで少しオーケストラとアンサンブルの違いについて…
オーケストラでは後方に配置し、全体の音量をサポートする役割も担っている金管楽器。
先ほどの楽器紹介でそれぞれの特徴や役割の紹介がありましたが、
アンサンブルではこの一人ひとりの演奏の効果がさらに際立って聴こえてきます。
そこにも注目しながら聴いてみると、さらに音楽が面白く感じられるのではないでしょうか?
また、ご覧の通りアンサンブルには指揮者がいません。
実はアイコンタクトや息遣いでタイミングを合わせているのです。
これらのポイントを踏まえて鑑賞してみると…
演奏中に奏者たちがどの様に合図を出し合っているかなど、
耳なだけでなく目で見て音楽を感じている生徒の姿がありました。
その様子が分かる感想もいただきましたので、ぜひそちらもご覧ください。
~ 生徒の感想 ~
●5人しかおらず、指揮者もいないのに演奏がとても揃っていて驚きました。くるみ割り人形の花のワルツは、花の精が本当に踊っているところを近くで見ているような感じがしてとても素敵でした。
●私は小学生の頃にコルネットをやっていたので、久しぶりに金管楽器の音を聴いて懐かしさを感じました。プロの方たちは音の強弱の付け方がとてもきれいで、同じ曲の中でも強弱によって雰囲気が変わることがあったので、聴いていてすごいと思いました。
●金管五重奏だからこその良さを知ることができました。中でも魅力的に感じたことは、ひとつひとつの楽器の音をしっかりと聴く事が出来るということです。普段は、あまり楽器の音を聴き分けることができないため、集団の演奏として楽しむことが多いのですが、今回は全体としても個々の楽器としても音楽を楽しむことができました。
●5人全員が息をあわせないと良い演奏をすることは難しいと思うので、聴いていて互いを信頼していることが伝わってきました。私は小学校のときにホルンを演奏していたのですが、他の楽器にも興味があったので、今日詳しく知れてよかったです。
●5つの楽器のみでとても迫力のある演奏が心に残りました。私は小学生の時ユーフォを拭いていましたが、なかなか綺麗に吹く事ができなかったり、先生の合図があっても息が合いませんでした。今日の演奏を聴いて、また金管楽器を吹きたいと思いました。一曲の演奏でもよく耳を澄ませてみると一つひとつの楽器の音が聞こえてきて、どの楽器も欠けてはいけない大きな役割を持っていると感じました。
事業課 井上